教授あいさつ

教授あいさつ

第1内科学講座 教授中山田 真吾

産業医科大学医学部 第1内科学講座のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

本講座は1978年に開講され、初代・鈴木秀郎教授、第2代・江藤澄哉教授、第3代・田中良哉教授の後を継ぎ、2025年より私が第4代教授に就任いたしました。大学病院では、「膠原病・リウマチ内科」と「内分泌・糖尿病・代謝内科」の診療を担当しています。最新のエビデンスと患者さんの価値観に基づき、最善の医療を提供できるよう、難治性疾患の克服に向けて講座員一同、真摯に取り組んでいます。以下に、当講座の教育・臨床・研究の特色をご紹介いたします。

教 育
私たちは、病気だけでなく患者さんの全体像を捉えることが、内科医として本来あるべき姿と考えています。高度な医療技術を備えた専門医の育成に加えて、全身を診ることのできるプライマリケア内科医の養成にも力を入れています。内科専門医は卒後5年、膠原病・リウマチ内科および内分泌・糖尿病・代謝内科の専門医は卒後6年で受験資格が得られます。また、大学院教育にも注力しており、過去10年間で海外からの留学生12名を含む32名の医学博士を輩出しました。一人ひとりの希望や個性に応じた柔軟な指導を行い、若手医師の発想力と思考力を伸ばし、未来の医療の発展に貢献してまいります。

臨 床
医学的根拠に基づきつつ、常に患者さんの立場に立った診療の実践を心がけています。地域医療との連携を通じて、関節リウマチ患者5,000名以上を対象とした「FIRSTレジストリ」や、全身性エリテマトーデス患者500名以上による「LOOPSレジストリ」を構築し、分子標的治療薬の有効性・安全性・適正使用に関するデータを蓄積・解析してきました。さらに、免疫フェノタイピングと臨床像を統合したトランスレーショナルリサーチを展開し、こうした知見を基に、層別化医療・個別化医療の実現を目指しています。内分泌代謝糖尿病内科においても、糖尿病専門外来への定期受診者は1,800名を超え、それぞれの病態に応じた個別化治療を提供しています。教育入院を実施する一方で、重症の慢性合併症を有する患者への対応も、他科と連携しながらきめ細やかに行っています。さらに、持続血糖モニタリングなどの先進的な医療を積極的に導入し、患者教育や治療効果の評価に活用することで、質の高い血糖コントロールの実現を目指しています。

研 究
臨床現場で生じる疑問や課題の解決を目指す臨床研究に加え、ヒト疾患を対象とした病態解明および治療応用を目指した基礎研究にも取り組んでいます。これら2つの軸を融合し、ベッドサイドとベンチをつなぐ双方向のトランスレーショナルリサーチを推進しています。自己免疫疾患の病態形成に関わるサイトカイン、細胞内シグナル、転写制御に関する研究は国内外で高く評価されており、多くの学会において継続的に受賞しています。また、シグナル分子を標的とした新規治療の開発に向けて、国内外の研究機関と連携し、アジア太平洋リウマチ学会(APLAR)のCenter of Excellenceにも選出されています。さらに、AMEDや厚生労働省による多施設共同研究にも、研究代表機関あるいは分担施設として参画しており、日本の最先端医療の実践やエビデンス構築、そして国際的に注目される研究成果の発信にも力を注いでいます。

講座として、個々の目標や適性に応じた最適な環境の提供に努めています。育児との両立や海外留学など、皆さんの多様なチャレンジを心から応援いたします。志を持った方には広く門戸を開いておりますので、当科に興味のある先生方、地元ご出身の先生方、専門医取得を目指す皆さんからのご連絡をお待ちしております。

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